[原子力産業新聞] 2013年1月9日 第2653号 ＜3面＞

１２年決算で業績が回復傾向　仏アレバ社

仏アレバ社の監査役会は１２月１９日、同グループの２０１２年と１３年の業績見通しについて審議し、２０１１年末に公表した財務健全性回復のための戦略である「アクション２０１６」に沿って、主要５部門の業績が順調に回復しつつあることを確認した。

それによると、２０１２年の業績は７月に公表した半期決算時の見通しを維持している。再生可能エネルギー部門では一部の顧客用資金調達の時間が不足したことから、関係プロジェクトの実施が遅延。２０１２年は歳入が目標値の７億５０００万ユーロを下回る６億ユーロとなったが、１３年は安定的な売上げ収益が見込まれると明言した。

また、日本の原子炉の再稼働スケジュール遅延といった影響はあっても、戦略計画における１３年目標の「原子力部門で売上伸び率が３〜６％増、税引き前の営業キャッシュフローを損失ゼロに改善」は改めて堅持する方針を提示。同グループとしては、商業実績が回復傾向にあり、キャッシュ生成に優先順位が置かれていることは、戦略計画の実行が順調に進行している証拠との認識だ。

目標追認の根拠としては、（１）営業努力を通じて追加取引が得られる見通しとなった（２）営業支出の削減と必要資本の合理化計画で一層の進展が見込まれる（３）２０１３年の営業投資で削減が期待出来る――などを列挙。これらを総合すると、１３年の金利・税金・償却前利益（ＥＢＩＴＤＡ）は、目標値の１２億５０００万ユーロには届かないものの、１１億ユーロ以上は確保できるとの見通しを強調している。

アレバ社では１１年決算で受注残高は４４０億ユーロと好調だった一方、グループの連結収益は前年実績を２．６％下回る８９億ユーロに留まった。ＥＢＩＴＤＡは２億４０００万ユーロ、税引き前の営業キャッシュフローも１８億ユーロの営業損失を出していた。

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