[新刊抄]「中国原子力ハンドブック」 テピア総研が最新版刊行

中国・アジア地域専門の民間シンクタンクであるテピア総合研究所は昨年末、中国の原子力発電産業を網羅した「中国原子力ハンドブック2012=中国が変える世界の原子力」(=写真)を刊行した。

初回の08年版刊行後約5年を経た全面改訂で活字を小さくして頁数を抑えたが、情報量は倍になったという。中国の原発と核燃料サイクル、原子力産業の全体像や新型炉、開発体制、安全規制、および人材育成の最新情報を豊富な事例とともに1冊にまとめている。

同国では現在、先進PWRの国産化推進のため、米ウェスチングハウス社のAP1000や仏アレバ社の欧州加圧水型炉(EPR)等の建設を推進しているが、これらを含む各種新型炉の開発状況も34頁にわたり紹介。

また、同国は国際原子力発電市場への進出も目指しているが、中国国内の5大電気集団等の原子力発電産業の国際技術認証取得状況、製造能力、国家核電技術公司(SNPTC)によるAP1000への機器・技術供給企業の認定事例、国家核安全局(NNSA)による原発安全設備の設計・製造の認可申請の手続や合格企業名等が58頁にわたり紹介されている。

さらに、2008年3月に公表された外国設計・製造企業の登録手続とそれに基づく一覧表も掲載。こういった中国の原子力発電開発、とくに3・11以降の中国の安全規制がどのように変貌してきたかの具体的情報は、日本が新しいエネルギー・原子力政策を模索する上でも非常に重要である。また、中国と原子力発電分野でのビジネスを検討する企業にとっても不可欠の時宜を得た刊行物といえよう。

A4版560頁の同ハンドブックは1冊28万円(前回版購入者への割引特典等がある)。詳細および購入に関する問い合わせは、電話03―6721―5505、Eメール:kubotaho@tepia.co.jpまで。


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