首相 エネ戦略見直し指示 「責任あるエネ政策」構築めざす 経済再生本部会合で 温暖化ガス削減目標も再検討へ

安倍晋三首相は25日、新政権が成長戦略策定を目指して設置した全閣僚が出席する日本経済再生本部会合で、前民主党政権が策定した「エネルギー・環境戦略」をゼロベースで見直す考えを、関係大臣に対して正式に指示した。

25日の日本経済再生本部会合で、甘利明・経済再生担当相は、同本部下に置かれ成長戦略策定を具体的に審議する産業競争力会議での課題を説明した。

安倍首相は、産業競争力会議の議論を踏まえた当面の政策対応として、関係大臣の講ずべき喫緊の重要政策課題に関する当面の対応として、10項目を述べた。その中で、経済産業相に対しては、前政権の戦略をゼロベースで見直し、エネルギー安定供給、コスト低減の観点も含め、「責任あるエネルギー政策の構築」を指示した。

また、地球温暖化対策に関しても、環境相と関係大臣の協力のもと、11月のCOP19までに、排出量25%削減目標をゼロベースで見直すとともに、技術で世界に貢献していく、「攻めの地球温暖化外交戦略」を組み立てるよう要請した。

安倍首相による指示項目は、この他に規制改革、イノベーション/IT政策、経済連携、資源確保・インフラ輸出戦略などが掲げられており、それぞれ、関係大臣の協力による推進を図り、成長戦略の実現につなげるよう求めている。

本部会合終了後の記者会見で甘利大臣(=写真)は、現在途上となっているエネルギー基本計画に関して、「日本として最適なポートフォリオを策定していく」としたほか、排出量削減については、「できないことを掲げていくのは世界の信頼を欠く」とも述べ、より現実的なエネルギー・環境政策を検討していく必要を強調した。

前政権では、10年9月に、排出量を「20年までに1990年比で25%削減」する目標が打ち出され、震災後、12年9月には「革新的エネルギー・環境戦略」が策定され、「30年代に原発稼動をゼロとするようあらゆる政策手段を投入する」ことを述べている。


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