東電、当事者の「責務」 規制委 安全基準で事業者ヒア原子力規制委員会の専門家チームは25日、7月からの施行を目指す原子力発電所の新安全基準策定に向け、2回目の事業者ヒアリングを行った。前回、18日のヒアリングを踏まえ、21日に修文した基準骨子案について引き続き実施したもの。31日にも新基準骨子案を固め、パブリックコメントにかける運び。 今回ヒアリングは、東北電力、中部電力、北陸電力、関西電力、四国電力、日本原子力発電の各社が、BWR、PWRの炉型ごとに、シビアアクシデント対策の取組を説明したほか、福島発電所事故の当事者として、東京電力も出席し、事故の教訓を踏まえた同社の安全確保の基本的考えを述べた(=写真)。 25日の会合では、設計基準とシビアアクシデント対策とに大別された基準骨子案について、規制庁がこれまでの論点を再確認した上で、事業者からの意見を求めた。 意見表明で、PWRについては、ループごとに設置される蒸気発生器を活用し、2次側の給水手段・水源、電源等の多様化を図ることで炉心冷却を確実にする「ヒートパス確立」など、炉型の特徴をとらえた炉心損傷防止、格納容器破損防止の基本戦略が述べられるなどした。 また、東京電力からは、相澤善吾副社長らが、「事故の教訓を今後の安全性向上に活かしていくことは責務」として、外的事象に対する深層防護が不十分だった反省から、防護各層の対策に厚みを増すべく「設計拡張状態」(DEC)を設定する考え方などを説明した。 骨子案に対する意見で、事業者側はシビアアクシデント対策で要求するポンプなどの可搬式設備の容量に関して、訓練や手順書の整備・充実等、ソフト面の対策で信頼性を維持・向上させていく考えなどを述べた。また、骨子案で設計基準として記述されている全交流電源喪失について、シビアアクシデント対策との連続性に関し、有識者間で議論となった。 お問い合わせは、情報・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで |