「情報判断は自らの手で」 学生ら対象に 高レベル廃棄物議論「エネルギー政策に若者の声を!」(e−project)主催の高レベル放射性廃棄物の処理に関する若者ワークショップ「地震大国日本はどうするか」(資源エネルギー庁協力)が19日、東京大学・浅野キャンパスで開かれ、24歳以下の学生ら約20名が参加した。 基調講演「高レベル放射性廃棄物の地層処分とは」(坪谷隆夫・日本原子力学会シニアネットワーク連絡会運営委員)、「将来の地殻変動は予測できる?」(佐藤比呂志・東京大学地震研究所教授)の後、参加者は数名のグループに分かれ、「もし自分の住む町に高レベル放射性廃棄物の最終処分場ができるとしたら」との想定の下に、各自が農家、畜産家、会社員、地方自治体首長の4つの職業のいずれかになったつもりで議論した。 その結果、個人や職業上の立場によって、賛成か反対の態度は異なったものの、主体的に当事者として考えなければいけない必要性、判断を下すために必要な情報がどのようなものか、相手の立場への理解度などの課題がクローズアップされた。その中でも、賛成・反対の立場は異なっても、両者共通のキーワードは「信頼関係」の重要さが浮き彫りになった。 坪谷氏は「情報の非対称性が多くあり、一方に偏っていることを認識しなければならない。それがコミュニケーションの元だ」とした上で、「情報が足りない」または「情報がありすぎて分からない」という両方の意見が出されたが、「解決するには自分で勉強するしかない」と述べた。 佐藤氏も情報リテラシー(理解力)の重要性を指摘し、地殻変動などを研究している仕事柄、「常に10万年前のものにふれていると、地層処分は極端に不安がる年代尺度ではない」と指摘し、「今後、徹底的な透明性ときちんとした議論が必要」とした。 お問い合わせは、情報・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで |