【原子力発電所運転速報】 1月の設備利用率5.3%に 美浜でWANOピアレビュー

原産協会の取りまとめによると、1月の国内原子力発電は、関西電力大飯3、4号機のみが運転した。全体の設備利用率は5.3%で、12年8月以来、この2基のみでのフル稼働で、ほぼ横ばいの値となっている。他のプラントは引き続き、すべて停止している。

気象庁発表によると、1月は、北日本から西日本にかけて気温が低く、大雪に見舞われる地方もあった。14日「成人の日」には、首都圏平野部でも10センチ程度の積雪を記録した。冬季に電力需要が急増する北海道電力管内では、厳寒期となる1月7日〜3月1日の間、節電を要請する時間帯を平日8時〜21時に拡大し、停電リスク回避に努めている。

関西電力の美浜発電所では、一層の安全性・信頼性向上を図るため、1月17日〜2月1日、世界原子力発電事業者協会(WANO)によるピアレビューを受けた。

今回のレビューチームは、台湾、フランス、ハンガリー、韓国、日本の計20名の専門家からなり、結果として、発電所員の運転操作や協力企業による現場作業状況などの詳細な視察、所員へのインタビュー等を通じ、「適切な安全最優先を意識した行動を実行している」との評価を受けた一方で、異物混入への配慮、労働安全、運転経験の活用に関し、「原子力産業界のベスト・スタンダードを効果的に活用すべき」との指摘もあった。

また、福島発電所事故を踏まえた取組では、水密化対策、電源確保、冷却機能確保等の設備対策、対応訓練が実行されていることに加え、発電所独自の追加対策により、津波に対する深層防護の観点で強化が図られている点が特に評価されている。


お問い合わせは、情報・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで