CR3原発の閉鎖を決定 米デューク社

米国のデューク・エナジー社は5日、子会社のプログレス・エナジー社がフロリダ州で操業していたクリスタルリバー原子力発電所3号機(PWR、89.9万kW)(CR3)を永久閉鎖する決定を下した。格納容器の修理で2009年から停止していた同炉の再稼働を断念し、最新鋭の天然ガス火力発電所等を新たに建設することで同炉の設備容量を代替する方針を決めたもの。

プログレス社は09年9月、燃料交換と蒸気発生器(SG)取り替えのためにCR3を計画停止。SGを通す開口部を格納容器壁面に開けた際、3層構造の壁内部に隙間が出来ているのを発見した。これを修理するために行った作業で新たな剥離が生じるなど、改修工事は長期化。昨年10月に同炉の包括的な改修計画案を独立のエンジニアリング会社が分析した結果、少なくとも14億9000万ドルのコストがかかるとともに、運転再開までの期間もさらに長引くことが判明。同社は運転認可の延長も申請済みだった同炉で改修工事に踏み切るか、閉鎖するかで熟考を重ねていた。

今回、閉鎖を決めた後のステップとしては、包括的な廃止措置計画案を策定中。同社は必要な資金や作業範囲、日程その他の要素について決定することになる。現段階では「安全貯蔵(SAFSTOR)」方式により放射能の減衰を待つ方針で、本格的な解体・除染活動を開始するまでの間、少人数のスタッフで監視しつつ施設を安全な状態で保管する計画。すべての作業が完了するまでに40〜60年かかる見通しだ。

CR3の代替電源について、同社は天然ガス発電所を早ければ2018年に運開する可能性を評価中だが、現段階では同案が決定的というわけではないと強調している。


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