運転延長の基本的考え示す 規制委 バックフィットとの整合性課題

原子力規制委員会は2月27日、原子炉等規制法改正に伴い導入された原子力発電所「40年運転制限制」における運転期間延長の検討に関する基本的考え方を示した。既存の高経年化対策制度との関係も考慮し、7月の改正法施行に向け必要な規則等を整備していく。

新法では、原子力発電所の運転ができる期間を40年とし、設備の劣化状況を踏まえ、その満了までに認可を受けた場合は、上限を20年までとして期間延長を認めることとしている。

このほど、規制委が示した考え方では、個別プラントごとに延長期間を審査の上、判断することとし、特に、原子炉圧力容器やコンクリート構造物といった取替困難な重要機器、従前の制度や定期検査では把握されていない部分も含め最新の知見を反映した劣化状況の評価、技術基準への適合に関する説明を求める。また、「バックフィット制度」との整合性ある判断も行えるようにする。

既存の高経年化対策制度は、運転から30年を経過する施設について、10年ごとに機器・構造物の劣化評価と長期保守管理方針の策定を義務付けるものだが、延長認可後の期間中においても、適切な保守管理がなされるよう、同制度についても、合わせて必要な規定整備を行う。

必要な規則案等については、規制庁で準備を進め、4月を目途にパブリックコメントに付される運びだ。


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