原電 規制委審議に反論 「活断層」評価に「容認できず」 敦賀破砕帯でレビュー会合

原子力規制委員会の発電所敷地内破砕帯に関する専門家会合は8日、日本原子力発電敦賀発電所の評価書案について、ピア・レビューを実施し、同所の調査に当たる有識者らが取りまとめた検討内容を追認した。専門家会合では、2号炉原子炉建屋直下を通るD―1破砕帯は、「耐震設計上、考慮する活断層である可能性が高い」との評価結果を示しているが、これに対し、原電は同日、「一方的かつ公平・公正さを欠いたものであり容認できない」とのコメントを発表、また、11日にも、審議の進め方、評価書案の論拠に関する問題点を指摘した上で、同社が実施中の追加調査結果も踏まえ、改めて議論を行うよう要請する文書を規制委員会の田中俊一委員長宛に提出した。

規制委員会の敦賀発電所に関する有識者らは、12月初旬に現地調査を実施した後、1月末までに2回の評価会合を開催し、評価案を取りまとめた。今回、行われたピア・レビュー会合は、他の発電所の調査を担当する有識者からも第三者の視点から意見を求め論理展開などを確認するほか、敦賀発電所が先行事例となることから、今後の評価の参考とするもので、6名の有識者がレビューアーとして出席し検討に関わった。レビュー会合に先立ち、原電が、敦賀発電所に関する今後の追加調査計画を説明するとともに、規制委側の評価と同社の見解の相違点、専門家会合で論点となった破砕帯の連続性に関する考え方を整理した上で、これまでに規制委側が取りまとめた評価結果を改めて否定した。

レビュー会合では、D―1トレンチ北側ピットおよび同西側ピット付近にそれぞれ確認されたG断層とK断層と、D―1破砕帯との連続性や、判断根拠となる変位センスなどを議論のポイントとし、レビューアーからは、過去の経緯や周辺状況などの補足、評価書中の図表の扱い方など、説明方法に関する指摘はあったが、評価結果自体を覆す意見は特段なかった。

原電は、レビュー会合終了後、同社が実施してきた調査がほとんど考慮されず、規制委側で根拠となる事実・データの裏付けもなく、「可能性のみに基づいて一方的な結論づけを行った」とのコメントを発表した。また、11日には、委員長宛に、審議の進め方について(1)客観的な事実やデータによる立証を無視(2)評価書案の結論に至る論拠および裏付けを説明しようとしない(3)直接的不利益を被る可能性のある当社に反論の機会を与えない――と指摘し、改めて議論の場を設けるよう要請する文書を提出した。


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