米で30年ぶりコンクリート打設 米国のV.C.サマー2号機建設計画

米サウスカロライナ州のサウスカロライナ・エレクトリック&ガス(SCE&G)社は11日、ウェスチングハウス(WH)社製AP1000を採用したバージル C.サマー原子力発電所2号機建設計画で原子炉系統設備用のコンクリート打設を完了したと発表した(=写真)。同社が州営電力のサンティー・クーパー社と進めている同原発2、3号機増設計画は、2012年2月のボーグル3、4号機増設計画に続いて同年3月に米原子力規制委員会(NRC)から建設・運転一括認可(COL)を発給されたが、ベースマット用鉄筋の認可修正問題でボーグル計画の進展が滞ったことから、これに先んじて米国で三十余年ぶりとなる原子炉建設計画の正式着工を果たした。

SCE&G社とサンティー・クーパー社は2008年3月に同建設計画のCOLをNRCに申請。5月には東芝傘下のWH社およびショー・グループ(昨年7月にシカゴ・ブリッジ&アイアン社が買収)とエンジニアリング・資材調達・建設(EPC)契約を締結しており、110万kWのAP1000×2基を2017年および18年に完成させるとしている。

現在、V.C.サマー発電所サイトでは1号機(PWR、100.3万kW)が過去30年にわたり安定的に稼働。隣接する250フィート×160フィートのエリアに厚さ6フィート(1.8m)の原子炉建屋用ベースマットを敷設するには7000立方ヤード(5350立方メートル)のコンクリートが必要で、打設作業は約52時間に及んだ。

WH社によると、同計画では並行して、タービン系統や周辺機器の作業も継続中。次世代型原子炉となる両炉の完成に向けて、運転員の訓練も進めるとしている。

米国ではこのほか、テネシー州でCOLを必要としない古い許認可に基づきワッツバー2号機が建設中。プログレス・エナジー社もレビィ・カウンティ計画で、ボーグルとVCサマー両計画に続くCOL発給を待っている。


お問い合わせは、情報・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで