州政府が必要性を指摘 米ユタ州の原子炉新設計画

米ユタ州でブルーキャッスル原子力発電所の建設を検討しているブルーキャッスル・ホールディング(BCH)社の7日の発表によると、地元ユタ州公益事業委員会(PSC)のR.アレン委員長は同州選出の上院議員に宛てた2月の書簡の中で、原子力も州のエネルギー統合資源計画(IRP)の選択肢として考慮しなくてはならないと明言した。

地元の規制当局が原子力を将来の必要性に備えた最適資源の1つとして認めたことから、BCH社は立地候補地における耐震分析など、事前サイト認可(ESP)申請に向けた今後の作業に弾みが付くと歓迎している。

実現すればユタ州初の原子力発電所となるブルーキャッスル・プロジェクト(BCP)では、2基合計で220万〜300万kWの原子炉を60年間操業する計画。BCH社では建設・運転一括認可(COL)の申請に先立ち、まずESPを申請する方針だ。

今回のPSC声明は、ユタ州議会における電気事業規則改定の動きに端を発している。ここでは、再生可能エネルギーの経費回収システムをそのまま原子力に適用することが提案されていたが、BCP関係者はその他の電源用システムでは原子力にとって不十分との考え。IRPでは、新たな電源が必要となる2〜4年前に発注提案依頼書を発行するのが慣行であるため、それより長期間を要する原子力発電がIRPの実施手続きに無理なく組み込まれるか否かは不明だった。

PSCは現行法を詳細に審査した結果、既存の手続きを原子力の長期的な時間枠に適合させることを決定。議会には「いかなる電源についても経済性データや専門家の検証に従って将来の備えに最も有効なものを選択する」と説明しており、IRPでは全電源を考慮するよう言明している。


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