JT−60SAに欧州から機器 那珂研で披露式典 組立て本格化へ

日本原子力研究開発機構が核融合に関する国際協力拠点として実施する「JT―60SA」計画で、欧州から搬入され組立が進みつつある機器の披露式典が25日、茨城県の那珂研究所で行われた。同研究所では現在、従来のトカマク型臨界プラズマ試験装置「JT―60」を、超伝導装置の「JT―60SA」に改修する計画を18年度の実験開始を目指し、日欧合同で進めている。このほど公開されたのは、欧州からの最初の機器、真空断熱容器の基礎となる「クライオスタットベース」(=写真中央)。直径12m、高さ3m、重さ280トンの大型機器で、7分割し主要国道の交通を封鎖して輸送された。

「JT―60SA」計画は、ITER計画とは別に、日欧が共同実施する幅広いアプローチ活動における「サテライト・トカマク」計画の下で、核融合炉の研究開発を目指すもので、原型炉で必要となる高出力密度を可能とする高性能プラズマを長時間維持し、運転手法の確立につなげる。

「サテライト・トカマク」では、日本8件、欧州7件の機器調達を取り決め、現在、機器製作、従来装置の解体、機器の受け入れ・組立も着実に進展しており、そのうちの「クライオスタットベース」は、1月末に組立が開始されている。


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