原子力信頼回復に自信 ICAPP 輸出展開など韓国勢

「原子力発電所の進展に関する2013年国際会議(ICAPP2013)」が14日から18日にかけて、韓国済州島で始まった。第28回韓国原産会議(KAIF)/韓国原子力学会(KNS)の合同年次大会との共同開催としたため、登録者数で24か国から約650人を数えている。今回の共催は、米国原子力学会(ANS)、日本原子力学会(AESJ)、仏原子力学会(SFEN)の3機関。併催の展示会には、ロスアトム、ウェスチングハウス、アレバ等のブースが出展していた。

今回のテーマ「原子力発電=自然豊かな将来のための、安全で持続する選択」の下に、原子力産業の直面する課題、特に福島事故が各国のエネルギー政策にどのような影響を与えたか、原子力なしで各国のエネルギー需要は満たされるのか、福島事故から学んだことをどう生かしていくのか等に関する発表が予定されている。

会議初日となる15日の基調講演では、キム・キュンソップ韓国水力・原子力社長が韓国の原子力発電の見通しについて発表し、過去10か月の努力でメディアの理解も大きく進展したことから、近く国民の信頼回復が期待されると強調した。モハメド・アル・ハマディ首長国原子力エネルギー公社社長は、UAEの平和目的原子力エネルギープログラムについて、電力需要の伸びが年率9%で推移しており、初号原発が12年7月に着工したことが報告された。また、16年頃に初号原発を運転開始し、20年5月までに4基の建設を完了する方針が紹介された。

これらの講演では、2011年3月の福島事故の衝撃からまだ脱却できていない中で、原子力発電の導入や再開には国民の信頼回復が不可欠との報告が主であった。この観点から、福島事故の教訓をどう生かすのかに関する提案が多かったのが今回のICAPPを特徴付けていたと言える。

その中で韓国の原子力産業は、エネルギー輸入が94%を占める資源小国の経済発展を原子力発電が支え続けて来た実績とともに新鋭国産炉APR1400開発・輸出の成功が韓国の強い自信の源泉になっていることを随所で窺わせた。

なお12年末では、韓国の総発電設備量8240万kW中の2070万kW(25.1%)を、また総発電量5045億8000万kWh中の1503億3000万kWh(29.8%)を原子力が占めている。

初日の質疑応答では、欧州での福島事故の影響による原発停止の例とその後のエネルギー供給、日本での新規制基準の策定状況、それによる停止中の原発の再開に向けての審査の予定、中国の原発建設速度の妥当性、途上国の核燃料サイクルを支援する枠組みなどについての関心が示された。


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