原子力協定実施取り決めに調印 カナダとインド

カナダ原子力安全委員会(CNSC)とインド原子力省(DAE)は8日、2010年に両国が調印した政府間原子力平和利用協力協定(NCA)の実施取り決め(AA)に調印した。(=写真)

両国政府がNCAの発効手続きを終え次第、カナダの原子力産業界が平和利用分野の核物質や機器および技術をインドに輸出するなど、両国間の本格的な原子力貿易が可能になる。

カナダは1960年代にインドに供給した重水減速研究炉の使用済み燃料が核実験に利用されたことから、同国への原子力支援を停止していた。NCAではカナダの核不拡散政策に基づき、国際原子力機関(IAEA)の保障措置下にある施設に対してのみ、平和利用に限った規制品目の輸出が許されるとCNSCは明言。原子力協定の実施状況もAAに則ってCNSCが監視することになっている点を強調した。

AA調印の意義については、カナダ連邦天然資源省のJ.オリバー大臣も同日、カナダを本拠地とする世界最大手のウラン生産企業・カメコ社の本社で講演した。同相は、世界で4番目のエネルギー消費大国であるインドが、今後25年間に電力供給を現在の3倍以上に拡大する方針である点に言及し、AA調印は、カナダのエネルギー産業のために新たな市場を開拓すると指摘。アジア太平洋地域で貿易パートナーシップを強化するというカナダ政府の努力の賜であると強調した。

カメコ社はすでに09年、有望なインドの原子燃料市場で新たな事業や同国政府との取引の機会を開拓するため、インドのハイデラバードに事務所を設置。原子燃料製造の国内中心地である同地で、信頼性のある安定したウラン燃料供給を同国に提供していく計画だ。


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