シリーズ 英国Q&A (3)日本企業による英国での事業展開における重要点(後半)外国企業による英国企業の株式保有に制限はありますか?英国政府は、外国企業による英国企業の株式保有についてほとんど規制を行っていません。 英国およびEUの法律では、英ビジネス・イノベーション・技能(BIS)担当内相が、公益性の強い分野(国防、メディア、金融システム等)での事業合併や合弁事業を審査することを認めていますが、かかる審査権限が行使されることは稀といえます。 為替取引に対する規制はありますか?ありません。英国では対内・対外投資への許可取得は不要です。ただし、英国政府はマネー・ロンダリングに対して、厳格な管理体制を敷いています。 英国で法人が事業を行う際に、従うべき競争規約は?英国で事業をする法人は、英国およびEUの競争規約に準拠します。英国およびEUの競争法は、市場の競争を阻害する協定や協調行動を禁じており、市場で支配的なポジションにある企業に対して規制を行います。 また英国およびEUの競争法は、市場の競争を著しく阻害する事業合併や合弁事業を審査する権限を認めており、特に、公益性の強い分野(国防、メディア、金融システム等)では審査対象となります。 英国内の競争規制当局は、公正取引庁(OFT)(http://www.oft.gov.uk/)と競争委員会(http://www.competition−commission.org.uk/)です。EU市場内では、欧州委員会の管轄となります。個々の事例が問題となりうるかの審査は極めて複雑ですので、ケース・バイ・ケースで法律専門家に相談されることをお勧めします。 外国企業や外国人が英国の不動産を売買できますか?外国企業による、英国内での不動産の売買に制限はありません。 英原子力産業界に外国企業も参入できますか?英国は外国企業の英原子力産業界への参入を認めています。ただし、公表されている原子力規制庁(ONR)指針では、原子力関連の許認可申請を検討する外国企業に対し、英国を本拠地とする法人を設立するよう奨励しています。 原子力産業関連の許認可申請者は、海外の親会社との関係について情報を提供するよう求められることもあります。 ピルズベリー・ウィンスロップ・ショー・ピットマン法律事務所では、原子力関連法の専門家である25名の弁護士が、国際原子力エネルギー産業に特化したグループを形成しており、この分野では50年の歴史があります。ピルズベリーの原子力関連法弁護士は、東京、ロンドン、ワシントンDC、シリコン・バレーおよびアブダビの各オフィスに常駐しております。 なお、お問い合わせ、ご連絡等は以下にお願いいたします。 ▽ジョージ・ボロヴァス(ピルズベリー・ウィンスロップ・ショー・ピットマン外国法事務弁護士事務所・パートナー(国際原子力プロジェクト長))(http://www.pillsburylaw.com/george−borovas)、ヘレン・クック(同シニア・アソシエイツ(原子力部門所属))(http://www.pillsburylaw.com/helen−cook) (構成 石井敬之) (本Q&Aは一般的な情報提供を目的としたものであり、同弁護士事務所の法的意見や法律面での助言として提供しているものではありません) お問い合わせは、情報・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで |