警察広報誌が原子力警備を特集 災害対応など

警察庁が随時発行している広報誌「焦点」(13年3月)が、原子力発電所の警備情勢を特集している。

「福島第一原子力発電所事故は、原子力発電所を巡る警備情勢に大きな影響を与えた」、特集記事は冒頭、11年3月を機に、原子力災害に伴い長期化する住民の避難生活、テロの脅威、国内外の反原発運動激化など、情勢の変化を述べ、関連する警察の活躍ぶりを写真付きで紹介している。

原子力災害対策では、福島発電所事故発生直後からの避難誘導、放射線量のモニタリング、原子炉建屋への放水活動、行方不明者の捜索活動、検問、警戒・警ら活動、住民の一時立入に対する支援活動などを紹介、現在も全国警察からの特別派遣等により、避難指示区域周辺のパトロールを実施し、引き続き警戒を強化している状況だ。

テロ対策では、24時間体制で原子力関連施設を警戒する特殊部隊(SAT)、12年6月に愛媛県警察が全国で初めて実施した自衛隊との共同訓練の模様などを写真で紹介している。また、原子力発電所再稼働問題をとらえ、全国各地で激化する集会、デモに関しては、子どもを持つ女性や、若者から高齢者まで幅広い層の市民がツイッター、フェイスブック等のソーシャル・ネットワーキング・サービスによる呼びかけに応じて参加するようになったと述べ、特に、政府が関西電力大飯3、4号機の再起動を正式に決定した12年6月29日には、首相官邸近隣の官庁街で、主催者発表約20万人もの参加者による大規模なデモが行われたとしている。

特集記事は結びに、原子力発電所を巡る情勢の変化に応じ、警察では、原子力災害や施設に対するテロの脅威に的確に対処するため、関係機関との連携、情報収集、警戒警備を強化していくとしている。「焦点」は、警察庁のホームページ(http://www.npa.go.jp/)から読むことができる。


お問い合わせは、情報・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで