〈クリストファー・グイス・米国商工会議所21世紀エネルギー研究所副理事長〉

4年程前、エネルギーセキュリティを定量化するという取組を始めた。リアルタイムで、リスクを見極め、これから先の戦略を立てるのが目的だ。DОEのデータも利用しており、米国では最も信頼できる、大きな判断根拠になるものと思われる。

さて、最近、このエネルギーセキュリティに関するリスク評価を、国際的展望を発信するため、1980年までさかのぼり、他の国についても比較した。昨夏、2010年までのデータを出したところ、日本にとっては福島原子力事故以前のものとなるが、リスクがどう高まっているのかなど、方向性を検証する意味はあると思う。ざっと見て、1980年では、どの国も今よりはリスクが高かったが、90年代になると下がってくる。しかし、90年代後半から2000年代になると、再びリスクが上昇しているといった状況だ。

日本でも国産資源として期待されているメタンハイドレートは、確かに有望かもしれないが、経済的には、まだまだ不確実性がある。今回のエネルギーセキュリティに関する評価で、資源の乏しい日本は、本来ならば、リスクの高い国に位置するところだが、原子力を準国産エネルギーとみると、比較的良好な成績だ。

日本でリスクを上げる要素となっているのは、化石燃料の輸入依存度や、電力の小売価格が高いことなどがあげられる。新たな評価結果を、この秋にも発表できるだろう。


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