〈モスカレンコ氏 住民が希望持てる施策 復興のカギは活性化〉

コロステン市はチェルノブイリ事故で被災したウクライナのまちのひとつ。事故直後、国は放射線測定の体制をつくり、放射能の詳細な測定が行われ、1万戸の個人の住宅がチェックを受け、汚染マップが作られ、汚染状況の把握が田畑や河川等で行われた。その結果はマスコミを通じ情報提供された。除染は7年間にわたり行われた。住民の健康状態の把握も重要な問題で、毎年子供や大人の健康診断を実施している。診断センターは日本の支援で作られたもので、95%の住民が毎年健康診断を受けている。また町には社会・心理学的なリハビリセンターが設置され、住民のケアを多様な活動で実施し、地域共同体としてのつながりなどに重要な役割を果たしている。1万7000人が毎年相談している。

経済発展も重要な問題で、同市では優遇税制を受け、戦略発展プランを実施、工業団地の建設等を通じ企業を誘致、総投資額は人口1人当たりでみてジトミール州でトップになっている。観光や文化事業の見直しなどで、住民の前向きな生活環境を作り、若い世代も定着。ジトミール州の平均月給より14%以上高い。チェルノブイリ事故の恐怖を克服して経済発展を実現し、社会の意識を変えることで住民が前向きに暮らせるようになった。私たちの経験が、福島の復興にいかされ、これまでの支援の恩返しになればと考える。


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