第46回原産年次大会 共同記者会見から
〈J.レガルドWANO議長 教訓を共有し安全性向上へ プラント評価、格付け導入も〉

原産年次大会のため来日したジャック・レガルド世界原子力発電事業者協会(WANO)議長は4月24日会見し、「今回の(福島第一原子力発電所)事故から学んだことは、今後EP(緊急時対応)に、より焦点を当て考慮しなければならないことだ。また今後WANOのピアレビュー(相互評価)で設計に関わる問題も考慮すべきだ」などと述べ、福島の教訓を共有し緊急時対応など安全向上に向け役割を果たしていく考えを示した。

また議長は、先にWANOが世界中のプラント評価にあたり安全度のランク付けのプロセスを導入する方針を決めたことにふれ、「米国原子力発電運転協会(INPO)での格付けのようなプロセスで比較できるものとなるだろう。ピアレビューの報告書をフィードバックし、プラントを所有する会社からWANOへの事象報告、運転状況、主要なパフォーマンスなどの全ての情報を網羅して安全度の段階付けに反映していく、とした。今後詳細を検討し2015年以降に導入の方針で、結果はWANO会員のパフォーマンス改善むけツールとして利用するという。

同議長はまた「東京電力へのサポートは引き続き行っていく」として、IAEAのサポートなどとの役割分担を見極めながらWANOとして支援を続ける考えを示すとともに「現在はプラント長期停止に関するピアレビューを行っており、将来的には福島に限らず他のプラント再稼働にあたり日本の事業者に対しピアレビューの支援など、日本のニーズに合ったものを提供していきたい」とした。さらに「プラントは高経年のいかんに関わらず定期的にチェックして安全性を向上していく仕組みがあるかどうかが大切だ。プラントの安全性は設計のみでなく、運転の仕組みや改善プロセス等も関わっており、一概にプラント経年だけでは計れない」と述べ、プラント評価の仕組みにもこうした点を考慮する考えを示した。


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