米ノースアナ3号に再採用 2015年後半にもCOL取得 GE日立のESBWR

米バージニア州でノースアナ3号機(NA3)増設計画を進めているドミニオン社は4月25日、採用設計を三菱重工製US―APWRからGE日立ニュークリア・エナジー(GEH)社製のESBWR(高経済性・単純化BWR)に戻すことを決定した。年内にも建設・運転一括認可(COL)申請書を修正し、2015年後半までのCOL取得を目指す模様。

ドミニオン社は2007年にESBWRの建設を想定したCOLを米原子力規制委員会に申請したが、GEH社とエンジニアリング・資材調達・建設契約の条件で折合わず、10年にUS―APWRへの変更を決めた。

しかし、現時点でUS―APWRの設計認証(DC)審査が予備的安全評価報告書段階である一方、ESBWRは2011年3月に安全性と技術面での最終承認である最終安全性評価報告(FSER)と最終設計承認(FDA)を取得。関連規則の制定を待つばかりとなったことから、再採用を決めたと見られる。

GEH社は今回、NA3計画におけるエンジニアリング作業とCOL取得の支援でドミニオン社と合意。また、大手EPC契約請負企業のフルアー社と結んだ契約により、GE社製蒸気タービンを含むタービン系統機器(BOP)の製造・設置計画の立案等で同社の協力を得るとしている。

152万kWのESBWRは、改良型沸騰水型原子炉(ABWR)を進化させた第3世代プラスの原子炉設計。GEH社によると重力落下注水など受動的な安全系を採用したうえ、革新的なデジタル計装や制御設計を備えており、発電所内外で全電源を喪失しても、運転員の介入なしで7日間以上、原子炉の冷却が可能だとしている。


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