規制委、「活断層」と判断 敦賀発電所敷地内の破砕帯評価 原電、判断根拠など公開質問状 同社側の外部評価 「調査踏まえる必要」原子力規制委員会は22日の定例会合で、日本原子力発電(原電)の敦賀発電所敷地内の破砕帯の評価について、同委の有識者会合がまとめた「活断層」との評価を了承した。一方、原電は判断根拠などの公開質問状を規制委に提出した。また同社は21日会見し外部評価レビューの中間まとめを公表、評価にあたった専門家らが「現状で活断層の判断はできない」とし、同社の調査を踏まえて検討をする必要があるとの見解を公表した。 原電・敦賀発電所敷地内破砕帯の評価についてはこれまで、担当の島ア邦彦委員(=写真)が随時、口頭で検討状況を定例会合に説明してきたが、今回、関係する有識者会合による評価報告書がまとまったのを受け、破砕帯調査に関する調査では初めて規制委員会としての最終報告となったもの。有識者会合による評価報告を了承し、2号機原子炉建屋直下を通るD―1破砕帯については「耐震設計上考慮する活断層」との評価結果。 規制委員会の有識者会合は、旧原子力安全・保安院の意見を受け、12年11月より、敦賀発電所の敷地内破砕帯調査に着手し、12月に現地調査を行った後、評価報告ドラフト案に対し他サイトの破砕帯調査に係る有識者によるピア・レビューも実施した上で、5月15日に評価書を取りまとめた。会合は、現地調査の事前・事後、ピア・レビューも含めて、計7回開かれ、その間、原電にも、説明の機会は与えられてはいたものの、同社は一貫して、規制委側が判断根拠とする事実・データや論理展開の他、審議の進め方にも反論を示し、質問状、意見書などを同委に対し提出してきた。 規制委側と原電との活断層を巡る議論は、原子炉建屋から約200〜300mの位置にあり、最新の活動時期が4000年前以降とされている浦底断層と、D―1破砕帯との関連から原電が行ったトレンチ調査により確認された「G断層」と「K断層」の活動時期、連続性が焦点となっており、同社は6月末までに、これらを中心とする追加調査を終了し、最終報告を提出することとしている。 規制委による今回の評価結果は、「新知見が得られれば、見直すこともあり得る」との位置付けだ。 日本原子力発電は同日、「断じて受け入れられない」とのコメントを発表、判断の根拠等につき公開質問状を規制委に提出した。また21日には、外部レビューグループの中間的とりまとめを公表。地質学や地震工学などの専門家で構成される2つのレビューグループに委託した結果について、評価にあたった専門家らが「現時点で2号機直下にある破砕帯『D―1』の評価に関して活断層と判断できない」とし、原電が実施中の調査を踏まえ検討する必要があるとの見解を示した。またレビューグループとして、(1)原電と有識者会合との間には、十分かつオープンマインドなコミュニケーションの効果的なプロセスが本質的に必要、(2)原電と有識者会合及び中立的な専門家による合同の地質調査と議論を行う、(3)規制当局が合理的な判断を行うために、IAEAのリスクアプローチのような国際的に認められた最善の評価手法の適用や、アメリカ・ディアブロキャニオン発電所の安全評価の経験から学ぶ必要がある−の3項目を推奨事項にあげた。 お問い合わせは、情報・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで |