衆院の原子力問題特別委員会が開催 サイクル政策など議論 もんじゅ 位置づけ明確化も

衆議院の原子力問題調査特別委員会(委員長=森英介氏〈自由民主党〉)は16日、核燃料サイクル政策、安全規制体制のあり方などを中心に、文部科学副大臣、経済産業副大臣、原子力規制委員長らに対し、質疑応答を行った。

民主党の古川元久議員は、自身が担当大臣として12年9月に取りまとめられた「革新的エネルギー・環境戦略」に関連して、使用済み燃料の直接処分研究の他、「もんじゅ」に関して、同戦略で掲げている「成果を確認の上、研究を終了」することなどについて質問した。これに対し、赤羽一嘉経産副大臣は、12年度に直接処分の技術調査で予算が計上済みとしたほか、「もんじゅ」については、福井照文科副大臣が、「エネルギー政策検討の中で位置付けを明確にしていく」として、今夏を目途に新たな研究計画を策定する方向性を述べた。さらに、最近の「もんじゅ」保守点検漏れ問題に関連し、古川議員が、日本原子力研究開発機構における組織の安全文化劣化の問題を追及すると、鈴木篤之理事長(16日に辞任)が答弁に立ち、不備に伴う規制委員会による処分を受け、「猛省している」と述べ、国民の信頼回復に向け、姿勢を正していく考えを示すなどした。

また、同じく民主党の玄葉光一郎議員は、「規制する側とされる側の逆転」として、これまでの原子力安全規制における監督・監視機能の崩壊を指摘した上で、独立性、透明性の高い規制組織で、福島第一発電所事故を防げた可能性などを追及したのに対し、田中規制委員長は現在、同委で事故の専門的な分析検討を進めていることを述べた。

28日には、原子力安全、防災対策などを中心に質疑が行われ、福井県出身の自民党議員が、先般の日本原子力発電敦賀発電所における活断層に関する評価結果に関し、規制側と事業者側とのコミュニケーション不足などを指摘した。


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