ビサギナス計画の継続に条件 リトアニア首相

リトアニアのA.ブトケビチュス首相は5月28日、エストニアのT.イルベス大統領とバルト3国の最重要課題であるビサギナス原発建設計画など、地域共同プロジェクトについて協議した。

日立製作所が出資を伴う戦略的投資家として参加する同計画に関し、同大統領はリトアニアが4月に提案した地域パートナー間の資金配分改定など、一定の条件が満たされた場合にのみ存続すると言明。それらの条件の裏付けとした作業グループ等による分析・調査結果を地域パートナーが吟味し、7月1日までに3国が合意に達することを切に願うとしている。

リトアニアでは昨年10月の国民投票における否定的な結果や、総選挙で発足した新政権が建設計画の経済性に疑問を投げかけるなど、その実現が危ぶまれている。同計画の投資総額は173億リタス(約5173億円)で、事業権付与契約案にはプロジェクト会社の38%がリトアニアの保有となるほか、日立とラトビアが各20%、エストニアが22%を保有すると明記された。

ブトケビチュス首相は今年4月、政府の作業グループによる分析調査結果から、現在の条件はリトアニアが財政的に負担し切れる内容ではないと断言。継続には経済指標の改善と追加条件の実行が欠かせないとしており、地域パートナーの2国の参加を契約の形で適法化し、2国の分担金増額と責任配分が保証されること、国際的な財務機構や輸出信用機関からの借入を最小限に抑える一方、戦略的投資家および地域パートナーが最大限の資金調達を行うことが前提だと強調していた。


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