検査結果偽造でケーブル交換 韓国 夏場の供給力に懸念

韓国の原子力安全委員会は5月28日、新古里原子力発電所1、2号機と新月城原子力発電所1号機、および完成間近の同2号機(すべてPWR、100万kW)に、安全性評価結果の偽造された制御ケーブルが設置されていることが判明したと発表した。

事故時に原子炉冷却など安全系の動作信号を送信する重要部品であるため、同委はこれら4基のケーブルを直ちに交換するよう韓国水力原子力(KHNP)に指示。国内の原子炉23基のうち、すでに定検中だったものを含めて10基が停止したことになり、ケーブル交換作業に数か月を要するなど夏場に向けた予備電力の確保が難しくなってきたことから、朴槿恵大統領は閣議で夏の電力供給不足に対する懸念を表明。確実な原因究明と責任の所在を明確化する必要性を強調した。また、担当省には原発および電力需給の詳細な状況を国民に伝え、省エネのための協力を国民に求めるよう要請している。

安全評価結果偽造の事実は、安全委が原子力産業界の不正情報聴取を目的に運営する「原子力安全目安箱」への情報提供により、4月末に発覚。提供された情報は、現在建設中の新古里3、4号機におけるケーブル評価文書の偽造を指摘する内容だったが、同じケーブルが使われている新古里1、2号機と新月城1、2号機についても拡大調査したところ、元の評価結果では検査にパスできていないことが確認された。

また、同制御ケーブルの安全性分析の結果、一部は事故時の性能が確保されないと判明したため、稼働中だった新古里2号機と新月城1号機は運転を停止し、ケーブルを交換することになった。新古里1号機は4月8日から計画停止中だったことから、整備期間を延長して交換を実施する。

このほか、運転開始を控えて機器の動作審査段階にあった新月城2号機については、運転許可取得前に交換を行う。新古里3、4号機の場合は、今後の調査の後に安全性評価を実施し、結果に応じて適切な措置を取る計画だとしている。


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