福島事故炉の廃炉計画前倒し 炉内燃料の取出など 政府対策推進会議 ロードマップ改訂案

資源エネルギー庁は10日、福島第一原子力発電所事故炉の廃止措置に関わる中長期ロードマップ改訂のたたき台を発表した。炉内燃料デブリ取り出しに向け、研究開発体制の強化を図り、現地作業の進捗管理を行う廃炉対策推進会議の事務局として取りまとめたもので、今後、地元自治体、有識者からの意見を踏まえ、6月中を目途に決定される運び。

福島第一1〜4号機の廃止措置に関わる中長期ロードマップは、11年12月、事故収束への道筋「ステップ2」終了を受け策定されたもので、今回の改訂たたき台では、現地作業および研究開発の進展を踏まえ、号機ごとの状況の違いを詳細に分析した上で、スケジュールの前倒しを検討し、複数のプランを用意し、より具体的なタイムスパンを掲げたものとなっている。

炉内燃料デブリの取り出しについては、当初スケジュールで、事故収束から10年以内とされていたが、改訂案では、最も早い号機・プランで、20年度上半期開始と設定された。号機別の使用済み燃料プール、炉内燃料デブリの取り出しに当たっては、複数のプランを用意し、プランの絞り込みや修正・変更の可能性が想定される時期を「ホールドポイント」と明示している。例えば、水素爆発で原子炉建屋上部が破損した1号機では、放射性物質飛散抑制のための建屋カバーが設置されているが、燃料取り出しに際し、建屋カバーを改造し、オペレーティングフロア上に燃料取り扱い設備を設置し実施する「プラン(1)」、また、建屋カバーの改造ができない場合は、燃料取り出しに必要な機能を持つ上部コンテナを設置する「プラン(2)」等、建屋の耐震安全性や、今後の工法・装置の開発などを踏まえ、選択できるようにしている。

また、汚染水処理関連で、地下水の流入抑制が喫緊の課題となっているが、地下水バイパスによる水位管理、陸側遮水壁設置、タンク増設など、対応を進め、建屋内の汚染水処理は20年内に完了させることとしている。


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