文科省 「もんじゅ」管理、焦点に 原子力機構改革始まる文部科学省に設置された日本原子力研究開発機構改革本部(本部長=下村博文文科相)が7日、初会合を行った(=写真)。「もんじゅ」における機器の保守管理不備等を踏まえ、機構の組織体制・業務の抜本的に向け、改革案を取りまとめるもの。改革本部は省内幹部、外部有識者等で構成され、具体的な改革方針については今後、大臣政務官をリーダーとするタスクフォースで議論し、7月下旬にも基本的な方向性を示す運び。 このほど発覚した「もんじゅ」の保守管理不備を受けて、原子力規制委員会から機構に対し、性能試験再開に向けた準備の中断を要する措置命令が発出され、また、最近では、加速器施設における放射性物質の管理区域外漏えい・作業者被ばくも発生していることから、改革本部では、「安全」を軸に、業務運営、経営体制を抜本的に見直し、政策上優先度の高い業務に重点化を図ることにより、ガバナンスの強化、信頼回復につなげる。 特に、「もんじゅ」については、大規模な発電プラントとしての特殊性から、研究開発機関が適切にマネジメントできる体制にあるのか、といった論点も掲げられ、有識者からは、これまでの開発停滞が技術的問題よりは、体質に起因するものであるなどと指摘し、運転管理を切り離すことも視野に入れるべきといった意見もあった。 原子力機構を巡る改革に関しては、「もんじゅ」事故、東海再処理施設爆発事故を踏まえた「動燃改革」による核燃料サイクル開発機構発足(1998年)、特殊法人等整理合理化計画に基づき、日本原子力研究所との統合による現在組織の発足(05年)といった経緯がある。改革本部の初会合には、このほど組織建て直しへの期待を担い新理事長に就任した松浦祥次郎氏も出席し、かつての2組織がそれぞれ持っていた研究開発とプロジェクト推進のミッションに関して、「必ずしも両立しないとはいえない」とする一方で、「目標を明確にする」重要性を強調するなどした。 お問い合わせは、情報・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで |