道路除染の工期半減 作業合理化システムを開発 効果を即時計測 清水建設 広範囲に威力

清水建設は10日、道路除染作業時の表面線量を、リアルタイムで計測できる「除染作業合理化システム」(=写真)を開発したと発表した。古河機械金属の開発した高性能線量計を車両に搭載し、運転席に測定データを表示させるもので、汚染度にムラのある道路表面に効率的な除染を施すことで、工期を半分に短縮することも可能だ。同システムは、原子力被災地の大熊町で効果が実証されている。

道路除染車両は、高圧水で道路表面を洗浄しながら洗浄水を回収する特殊車両で、除染作業前に実施する線量の調査結果に基づき、噴射圧や進行速度等の除染仕様を設定してきたが、道路の汚染度は一定でないことから、再除染が必要な箇所、必要以上の施工がなされる箇所が生じるなど、効率化が求められてきた。

このほど開発された「除染作業合理化システム」を適用する車両には、前方部と後方部にそれぞれ3体ずつ、従来の60倍の速度で計測可能な、耐水性、耐衝撃性にも優れた高性能線量計を搭載し、運転席には線量計モニターを設置している。運用は、現地の線量や除染の目標値、試験施工の結果などを考慮して、車両前方の線量計が感知する線量に適した車両の進行速度を事前に設定する。再除染の必要な箇所が生じても、車両後方の線量計で、その範囲をリアルタイムに特定して行うので、作業ロスが低減できる。これにより、広範囲に及ぶ道路除染作業で威力を発揮しそうだ。


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