独、若手研究者を表彰 野依良治氏記念講演で 科学のリスクに警鐘

在日ドイツ商工会議所の主催で、科学技術・イノベーションにおける優れた成果をあげた日本の若手研究者を表彰する「ゴットフリード・ワグネル賞」の授賞式が18日、ドイツ大使館で行われた(=写真)。最優秀賞は、「一分子シークエンシング技術の開発」の研究を行った谷口正輝氏(大阪大学産業科学研究所教授)に授与、この他、優秀賞1名、秀賞3名が表彰された。式には、01年にノーベル化学賞を受賞した野依良治氏(理化学研究所理事長)も出席し、記念講演を行い、自身が研究者を志した経緯、情熱を語るとともに、科学技術の功罪に関し、人類の寿命延長などに大きく貢献してきたが、反面、「リスクは必ず存在する」ことも、原子力事故を例に強調した。

「ゴットフリード・ワグネル賞」は、日本を研究開発拠点とするドイツのグローバル企業による日独間産学連携構築を目指すプロジェクトで、今回5回目となる。野依氏は、近年の日本人ノーベル賞受賞を歓迎する一方で、「日本で研究を行った外国人がノーベル賞を受賞するようでなければ、本当の科学技術立国とはいえない」などとも述べ、パスツールの名言「科学には国境はない」を若手研究者らに贈り、今後の活躍に期待した。


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