テメリン受注に向け新会社設立 ロシアとチェコ

チェコのテメリン3、4号機完成計画に応札しているロシアとチェコの企業連合「MIR1200」は18日、同連合が落札した場合に備え、工事の準備・実施を調整する合資企業「ニュークリア・パワー・アライアンス社」を創設した。

チェコのプラハを本拠地とする新会社は、MIR1200連合のメンバーであるロシアのアトムストロイエクスポルト(ASE)社が51%、ギドロプレス社が15%、およびチェコのスコダ社が34%を出資。受注に成功した場合の最初の段階ではチェコとロシアの専門家100名程度をスタッフとして雇用し、プロジェクトの進展に合わせて徐々に拡大する。サイトでの作業が始まる第2段階から専門家達の90%が建設サイトに常駐。作業の最盛期段階には400名がプロジェクトの管理にあたる計画だ。

また、チェコとロシアのみならず、スロバキアや欧州のその他の国の企業約350社とも協力していくことになる。

「MIR1200」の呼称は、ロシアのAES−2006設計をベースに受動的安全性を備えた第3世代プラスの「近代化国際原子炉(MIR)」を意味しており、昨年7月の入札提案時にはウェスチングハウス(WH)社のAP1000、および仏アレバ社の欧州加圧水型炉(EPR)とともに候補設計に選定されていた。しかし、同年10月にアレバ社が候補から除外される一方、今年3月にはWH社が「1次審査で優位に立った」と発表している。

なお、チェコのP.ネチャス首相は16日、首席補佐官が職権乱用と汚職の疑いで逮捕された責任を取り、辞意を表明した。次期首相が決まるまでは政権に留まるが、国の戦略的決定に対する権限はなく、今年9月に予定されていた落札企業の決定に遅れがでると懸念されている。


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