OL3完成で株主から資金調達 TVO

フィンランドのテオリスーデン・ボイマ社(TVO)は12日の臨時株主総会で、建設工事が長引くオルキルオト原子力発電所3号機(OL3)(PWR、172万kW)を完成させるため、株主から新たに3億ユーロ(約385億円)の資金を調達するとした株主との合意書に調印した。今年2月の取締役会提案を株主が受け入れたもので、この取り決めにより、度重なる完成の延期に伴う追加コストを賄う計画だ。

同社のJ.タンフア社長兼CEOによると、世界初の欧州加圧水型炉(EPR)となるOL3は安全性が強化された新型原子炉設計として世界レベルの見本でもあり、出来るだけ早く発電開始にこぎ着けるよう、供給業者である仏アレバ社と独シーメンス社の企業連合が意欲と能力のすべてを傾注することは極めて重要。2月時点の見通しで、同炉の通常運転開始時期が2016年にずれ込む可能性が出たことから、対応準備を進めていると強調した。

OL3は2005年8月に着工され、当初の完成予定年は09年。しかし、供給業者がフィンランドの規制体系に不慣れであったことや、下請け業者による土木作業で思いのほか時間がかかるなど、完成予定年はこれまでに幾度も先送りされてきた。

これに伴い、総工費も大幅な増加が見込まれるが、TVO側は同計画が30億ユーロの固定価格によるターンキー契約である点に固執。このため、アレバ社らの企業連合が08年末に国際商工会議所(ICC)に仲裁手続きを要請したところ、ICCは12年7月、TVOの保留する1億ユーロと未払い利子の2500万ユーロを企業連合に支払うようTVOに命じる裁定を下していた。


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