[新品種開発し 環境回復 土壌中の放射性セシウム 高吸収性のヒエを育種へ]

バラのように咲く新品種のカーネーションや少ない肥料で多収となるイネなど、身近な生活や産業の向上にイオンビーム照射による育種技術は様々な貢献をしている。この技術を使い、現在取り組んでいるのがセシウムをよく吸収する植物の育種研究だ。

セシウムを吸収する植物を植えて土壌中のセシウムを吸収し除去するのが狙いで、約10種類の植物の吸収の状況を試験したところヒエは比較的セシウムを吸収することがわかった。逆に吸収能力が低いのはイネだった。

セシウムの吸収能力は、植物間、品種/系統間で異なるため、遺伝的に改変できる可能性があるということで、よりセシウムを吸収しやすいような候補のヒエ系統を選び出す取り組みを進めている。ヒエは、環境に適応して成長力もあるため、今後長期間かかるセシウムの吸収による除染に威力を発揮することが期待される。

逆に、セシウムを吸収しにくい性質がみられたイネについては、より吸収が低い品種の改良にも取り組んでいる。(左の写真はヒエの栽培種のひとつ)


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