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ピンポイントで放射線照射 島津が新装置 動体追跡システム販売島津製作所は1日、放射線治療装置用動体追跡システム「SyncTraX(シンクトラックス)」(=写真)を発売すると発表した。 がんの放射線治療で用いられるリニアック(放射線治療装置)と組み合わせるシステムで、呼吸等の影響により体内で一定の位置や形状を保たない肺や肝臓のような体幹部への放射線治療の場合でも、正常組織への放射線照射を避け、がん組織にピンポイント照射することが可能という。 腫瘍の位置をリアルタイムでとらえて、放射線をがん組織にピンポイントで照射する技術として「動体追跡技術」を実用化したシステム。呼吸性移動のある腫瘍の近傍に留置された金マーカを、2方向からのX線透視により画像化し、パターン認識技術で自動抽出・計算することでリアルタイムに3次元位置を把握して、放射線を照射するタイミング、または止めるタイミングをリニアックに指示することにより、金マーカが治療計画位置から数ミリの範囲にある場合にだけ放射線を待ち伏せ照射する方法。 この技術の実用化によって、従来の腫瘍の呼吸性移動による移動範囲すべてに放射線を照射する方法に比べて、照射体積を最大で4分の1に減らすことができ、正常領域への照射を大幅に低減する。また高い線量を腫瘍に照射することも可能となり、効果的な治療や治療時間の短縮につながる。 なお、同製品はX線透視システム(X線管、X線検出器)、X線高電圧装置、同期制御装置、動体追跡処理装置により構成されている。 お問い合わせは、政策・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで |