4社10プラントが申請 新規制基準施行受け、審査開始へ 関西電力4基分提出 「対策に終わりなし」

原子力発電所の新規制基準が8日に施行されたのを受け、同日、新基準への適合性確認、関連の工事計画認可、保安規定変更認可を求める事業者が、原子力規制委員会庁舎を訪れ申請書類を提出した。申請されたのは、北海道電力泊1〜3号機、関西電力大飯3、4号機、同高浜3、4号機、四国電力伊方3号機、九州電力川内1、2号機の四社5発電所10プラント。

新規制基準は、福島第一原子力発電所事故を踏まえ、改正原子炉等規制法等、関連法令に基づき、シビアアクシデント対策、「バックフィット制度」などを新たに導入し整備された委員会規則、ガイドライン、計50数件の規定類からなっており、昨秋の規制委員会発足以降、検討が開始された。更田豊志委員、島ア邦彦委員(地震・津波関連)を担当とする専門家チームでの検討により、2月に骨子案、4月に条文案が示され、パブリックコメントを経て、6月19日の規制委定例会合で、最終案および施行日が決定された。

稼働中の大飯3、4号機を含め計4基に関する申請手続きのため規制委員会を訪れた関西電力の森中郁雄・原子力事業本部副本部長は、書類提出を終えた後、記者団に対し、「対策に終わりはない」と述べるなど、規制の枠組みにとどまることなく、安全性、信頼性の向上に、また、地元へのわかりやすい説明にも努めていく考えを示した。

なお、泊発電所については、主要設備構成上の違いにより、1、2号機と3号機の2つに分けて申請された。九州電力の玄海3、4号機については、12日に申請される予定。

規制委員会では事業者からの申請を受け、今後、審査に入るが、10日の定例会合で、新基準施行時に稼働中のプラントとして実施された大飯3、4号機の現状評価を踏襲することを基本とし、地震・津波等に関する事項は島ア委員、プラントに関する事項は更田委員の担当により、16日に審査会合を始動するなど、進め方を確認した。


お問い合わせは、政策・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで