ガローニャ原発を正式に閉鎖 スペイン

スペインのニュクレノール社は5日、昨年12月に運転を停止していたサンタマリア・デ・ガローニャ原子力発電所(BWR、46.6万kW)を、産業エネルギー省の省令に従って正式に閉鎖した。閉鎖理由は純粋に経済性の問題であり、同原発の安全性や技術的な課題によるものではない点を強調している。

1971年に運開した同原発では、2009年の運転認可更新時に原子力安全委員会が「いくつかの安全上、放射線防護上の条件をクリアすれば2019年まで操業が可能」との判断を下していたが、政府は13年7月まで4年間のみ、運転の継続を許可した。

昨年9月には「持続可能エネルギーに対する租税措置法」により、経費の3割増しにつながる莫大な新税が13年から課されることが判明したため、ニュクレノール社は13年7月以降の運転認可を申請せず、昨年末で同原発を停止。発電所スタッフを保持するとともに追加のメンテナンス計画を策定するなどして、運転継続が可能な状況になるのを待っていた。

今年5月になり、同社は認可の更新を実現するため、12年6月の省令を一部取り消すよう産業エネルギー省に要請したが、同省は6月19日に「省令の修正は認められない」との判断を下している。また、ニュクレノール社は09年から昨年までの間に同原発の改修・近代化で5000万ユーロを投資。今後の改修で新たに必要となる経費や新税による負担を勘案して閉鎖を決めたとしている。

スペインの稼働中原発の中では最古だった同原発では、過去5年間の年平均設備利用率が常に80〜90%台で推移しており、昨年は94.78%をマーク。良好な稼働実績を残していた。


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