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キラル物質、3次元で観察 理研など SPring−8活用し成果分子構造上、互いに鏡像の関係にある、いわば「右利き」と「左利き」の双子関係にあるキラル物質の内部結晶組織を、このほど、理化学研究所他の研究チームが、大型放射光施設「SPring―8」を用いて、3次元的観察することに成功した。 これは、理研が、東京大学、青山学院大学と共同研究を行ったもの。例えば、「味の素」の原料となるグルタミン酸ナトリウムは「左利き」の構造体ではうま味を感じさせるが、人工合成では苦味を感じさせる「右利き」構造も生成されてしまう。このため、医薬品や食品添加物などに使う場合には、キラル物質の有用な「利き手」を持つものだけを分離生成することができれば、物質を目的にあわせて都合よく結晶化できる。 これに着目した共同研究グループでは、キラル物質の内部結晶構造を観察するために、「SPring―8」で物資の「利き手」の違いを可視化するX線顕微鏡の開発に取り組んだところ、三塩化セシウム銅というキラル物質中に混在した「右利き」と「左利き」の内部結晶組織を3次元観察することに成功した。 今回の成果によって、物質の「利き手」をそろえて結晶化させる技術の開発にひとつの道筋が得られ、今後、実用化に至れば、医薬品・食品添加物のほか、電子材料の製造技術も飛躍的に向上させることが期待できることになるという。 お問い合わせは、政策・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで |