中間貯蔵施設の最小化に寄与 洗浄までを高効率化 清水建設など 汚染土壌の分別システム

清水建設は15日、環テックスと共同で、セシウム汚染土壌の減容化エンジニアリングの一環として、汚染土壌に含まれる植物根等の有機物を機械的に、かつ高精度に分別できる新システム「パワーグラインドスクリーン」(写真は同システムの解砕羽)を開発したことを明らかにした。このシステムの特徴は、焼却処理による減容化効果を高めるために植物根とそれに固着している土壌の分別までできること、また後工程となる洗浄処理の高効率化のために有機物含有量が少ない土壌を供給できること。

福島県内の一連の除染作業で集積される汚染土壌等の除去物は、環境省の試算によると、最終的には約3100万立方m、東京ドーム25杯分に達する見込み。2015年から中間貯蔵施設に搬入される計画になっているが、経済性や環境保全の観点から、有機物の焼却処理や土壌の洗浄処理により減容化し、中間貯蔵施設の規模を最小限に留めることが大きな課題になっている。

このシステムにより、人手では経済的にも物理的にも難しかった土壌と有機物の精度の高い分別が可能になり、有機物の焼却処理だけでも最大10%程度減容化できる見込み。また、洗浄処理する土壌は洗浄に適した粒径になっており、かつ装置トラブルの要因となる有機物は少量しか含まれず洗浄過程で除去されるので、洗浄システムが一層実用的になる。さらには、中間貯蔵施設で懸念されている汚染土壌中の有機物の腐食によるセシウムの再溶出の防止にも貢献できる。

同社は、パワーグラインドスクリーンと土壌洗浄システムによる減容化提案を積極的に進め、中間貯蔵施設の建設工事や分別・減容化処理業務の受注を目指していく。


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