高圧噴射で除染効率化 清水建設 S―Jetモバイル

清水建設は10日、除染作業の一層の効率化と放射性廃棄物、除染廃液の削減を目的に、超高圧水の噴射により少水量で高効率の除染を行う除染システム「S―Jetモバイル」(=写真)をスギノマシンの協力を得て開発・実用化したと発表した。一般民家の土間や駐車場、歩道、小路などの狭隘な場所で行う除染で威力を発揮する。

手押し式の掃除機大のフロアクリーナー、フロアクリーナーに装着され除染廃液を回収するバキュームユニット、フロアクリーナーに超高圧水を供給する180MPaの超高圧ウォータジェットシステム、発電機等から構成。小型化によって、トラック1台に搭載できるようにした。

少水量・高効率除染は、特殊ノズルヘッド(ツイストロータリーノズルヘッド)の開発により実現した。特殊ノズルヘッドを開発して超高圧水を噴射、しかも回転方向に向いたノズルから路面をえぐるような角度で超高圧水が噴射されるので、路面が受ける水圧が相乗的に高くする仕組みに工夫した。これで、少水量ながら高い除染効果を発揮するとともに、逆に少水量なので切削厚さを最小限に抑えることができる。

汚染されたアスファルト道路の表面濃度の目標低減率を80%とした場合、S―Jetモバイルは既存の超高圧水の除染システムに比べ、使用水量が2.6リットル/min、表層の切削厚さは1mm程度といずれもほぼ3分の1以下。また小型化でり、作業員数がシステムあたり8人減の5人に、使用するトラック台数が2台減の1台にするなどコスト削減を実現した。


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