電子型ニュートリノ確認 世界初、研究目的の第一歩達成 J−PARCとカミオカンデ 宇宙の謎に迫る

今存在する宇宙の成り立ちを解明する――その手がかりとしてニュートリノと呼ばれる物質構成の基本的な粒子の解明に、着実な成果がみられている。19日、国際共同研究グループの発表によると、「電子型ニュートリノ出現現象」が存在することを示す決定的な測定結果が得られたという。

これまで、発射されるとき「ミュー型」だったニュートリノが「電子型」に変化することが予言されていたが、実際に測定されて現象が確かめられたのは世界初。実験は、茨城県の東海村にある日本原子力開発研究機構にあるJ―PARCから発射されたニュートリノを約300km離れた岐阜県飛騨市にある東京大学の実験施設「スーパーカミオカンデ」で観測し、分析を重ねてきた(T2K実験)。

2011年6月にはその実験結果から兆候をつかんでいたが、その後の実験と分析の積み重ねにより決定的な測定結果を得たとしている。

宇宙の成り立ちは謎で、ビックバンの直後には物質と反物質が生じたが、物質が残り現在の宇宙の構成になったと考えられている。ニュートリノがその謎に大きな役割を果たした可能性があり、ニュートリノの特徴の解明の一歩として、電子型ニュートリノの出現を発見することが、この実験の第一の目的になっていた。今回、その目的が達せられたことになるが、今後も実験を重ねて、さらにニュートリノ解明を進めていくことで、宇宙の成り立ちの謎に迫ることができると期待されている。


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