ベースロードとして堅持を エネ調・基本政策委が始動 産業界が原子力で要望

経済産業省の総合資源エネルギー調査会基本政策委員会(審議会改組により総合部会を引き継ぎ、分科会長=三村明夫・新日鐵住金相談役)は7月24日、経済団体、消費者団体からの意見陳述を受け議論した。エネルギー政策の見直しで、「生産・調達段階」、「流通段階」に続き、「消費段階」を論点とするもので、原子力発電所の再稼働と電気料金値上げの関係が、当面の課題として浮き彫りにされた。

その中で、日本経済団体連合会が、電力問題による景気回復への足かせを懸念しながら、エネルギー政策は「中長期的な国のあり方そのもの」として、「原発ゼロ」を目指す民主党政権時の「革新的エネルギー・環境戦略」を批判した上で、多様なエネルギー源維持の観点から、原子力については、安全確保を大前提に引き続きベースロード電源として活用していくべきとする考えを述べた。

日本商工会議所は、主に中小企業の厳しい経営状況をアンケート結果から訴えた上で、電気料金の上昇抑制と安定供給の早期確立を最優先課題として主張し、原子力発電の再稼働の遅れが再値上げを引き起こすことなどを懸念した。

一方、消費者団体からは、日本生活協同組合連合会が、原子力事故による「安全神話」の崩壊、これまでの長期需給見通し論議に対する違和感、電力会社の危機感欠如などを、エネルギー政策への不信感として掲げた上で、「これまで需要者は受け身に回っていた」として、国民参加の姿勢も必要との考えを述べた。また、震災以降、電気料金に関する審査委員会に出席してきた全国消費者団体連合会も、値上げに伴う生活への影響を訴え、国民の主体的な議論への参加を求めるなどした。


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