米政府の支援計画に申請 GA社がSMR開発で

米国のジェネラル・アトミックス(GA)社はこのほど、米エネルギー省(DOE)が進める小型モジュール炉(SMR)開発・商業化促進プログラムの第2回目の募集に、独自開発によるSMR「エネルギー・マルチプライヤー・モジュール(EM2)」(=概念図)で申請書を提出していたことを明らかにした。

EM2はGA社が原子力発電システムの設計開発における60年の経験を結集して開発中の電気出力26・5万kWのガス冷却炉。同社によると、燃料交換なしで30年間稼働できるほか、冷却材として水を使用しないため立地点の選択で大幅な柔軟性がある。また、トラック輸送が可能なスクール・バスほどのサイズにより、資本費や発電コストも低減されると強調している。

産学の専門家を集めた開発チームには、米国の新たな原子炉建設計画で複数の土木工事を受注したCB&I社(今年2月にショー・グループの合併吸収を完了)、日本の原子炉建設で広範な経験を有する三菱重工業が参加。アイダホ国立研究所はEM2の新しい燃料システムの試験実施で協力を提案している。

DOEのSMR商業化促進プログラムでは、官民の経費折半により2022年までに有望なSMR設計2件の商業化設計エンジニアリングと認証・許認可の取得を支援。すでに昨年11月、バブコック&ウィルコックス社の「mPower」を対象設計に選定済みで、残る1件についてはウェスチングハウス社、ニュースケール社、ホルテック社が申請を済ませた。選定結果は来年1月に発表される予定である。


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