IAEA総会で山本科学技術担当大臣 汚染水問題などを説明 原子力ゼロ政策の見直しも

国際原子力機関(IAEA)の第57回総会がウィーンで開幕し、出席した山本一太大臣が日本の代表演説のなかで、原子力ゼロ政策の見直しや汚染水問題への取組み状況を説明した。

演説で山本大臣は、昨年12月に安倍政権が発足してから日本がエネルギー政策を転換し、前政権が打ち出した2030年代に原子力発電の割合をゼロにするという政策は根本から見直すと明言。また福島第一原子力発電所の汚染水問題について、同発電所から0.3平方キロメートルの港湾外および海水の放射線量はWHOの飲料水指針を下回っていると説明し、9月3日に策定した基本方針のもと、470億円の財政措置を講じて凍土方式の陸側遮水壁の構築や高性能な多核種除去設備など、国が前面にたって取り組んでいくと強調した。

また山本大臣は、天野之弥IAEA事務局長をはじめ、モニッツ米国エネルギー省長官やフランスのビゴー原子力庁長官などと会談を行い、日本が汚染水および廃止措置について責任を持って取り組み、国際社会に向けて情報発信を行う考えを伝えた(=写真)。

近藤駿介原子力委員長や田中俊一規制委員会委員長も日本代表団の顧問として参加。16日午後には、山名元・国際廃炉研究開発機構理事長らが福一事故を解説するサイドイベントが行われた。


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