選定プロセスを改定 英国の深地層処分場計画

英国政府は12日、放射性廃棄物深地層処分場(GDF)のサイト選定プロセスの改定版について、12月5日までの日程でコメントの募集を開始した。カンブリア州のコープランドとアラデールの2都市が2008年と09年にGDF受け入れに関心表明していたものの、州議会の反対でサイト選定プロセスは今年1月、振り出しに逆戻り。政府はプロセスを一新し、来年から改めて受け入れ自治体の選定を始める考えだ。

英国政府は08年6月、既存の高レベル放射性廃棄物および新設する原子力発電所からの使用済み燃料などを長期にわたって安全に処分するため、6段階のGDFサイト選定手続きを示した白書を公表。10年には低中レベル廃棄物を含めたすべての廃棄物を1つのGDFに埋設するなどの概念例を提示していた。

改定版の選定プロセスでは、政府と協議する自治体の代表はイングランドやウェールズといった地方の内でも最も管轄権をもつ当局、すなわち州と区を一層構造にした単一自治体、あるいは郡議会などが務めるとし、プロセスの途中で撤退する権利を有する。これらの自治体には旧プロセスより早い段階でプロジェクトに関する一層多くの情報が提示される一方、自治体は受け入れ決定前に一丸となって同プロジェクトを積極支援する姿勢を示すことが求められる。

また、数十億ポンド規模のインフラとなるGDFが国の施設としても重要である点に鑑み、政府は08年の計画法に基づき同プロジェクトを国家重要インフラ・プロジェクトの計画体制に組み込むことを提案している。

同プロセスはまた、自治体毎の要望に応じて多様化することがあり、選定までには約15年を要すると政府は予測。建設にはさらに15年かかるとの見通しを示している。


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