工費増加問題で関係者が和解 米国のボーグル計画

米ジョージア州の公益事業委員会(PSC)は3日、ボーグル原発増設計画でジョージア・パワー社が要請していた資本費の承認増額に関する同社とPSC公益擁護スタッフの合意文書を全会一致で承認した。

今年3月に着工したボーグル3号機では、ジョージア社の持分となる資本費が当初見積を8.6%(3億8100万ドル)オーバー。この問題にでジョージア社は、同炉が2017年に完成するまで保証の増額や顧客からのコスト回収に関するPSCへの申請を延期することとし、PSCもこの問題を取り上げないことが取り決められた。

ジョージア社はこれに伴い、今年1月から半年間のプロジェクトの進展状況と実際の支出額について、簡略な最新情報を提出したほか、半期毎に取りまとめていた工事監視報告書(VCM)も、来年2月末までに今年1年間の進展状況を1つに統合して提出することになった。

ウェスチングハウス(WH)社製AP1000を2基建設するボーグル3、4号機計画は総投資額が140億ドルにのぼるプロジェクトで、これに対する出資比率はサザン社の子会社であるジョージア社が45.7%、オーグルソープ社が30%、州営電力公社が22.7%および同州のダルトン市営電力が1.6%。これに対してPSCは2009年3月、61億1400万ドルの財政保証を承認した。

しかし、今年2月にジョージア社が提出した半期のVCMによると、PSCに承認された同社分の資本費予測が建設日程の改定に伴う延長経費により8.6%(3億8100万ドル)増の48億ドルに増大。PSC規則では「最新のコスト見積が保証を受けた見積額の5%を超えた場合、ジョージア社は保証額の修正を要請しなくてはならない」と定められており、同社はこれに基づき保証額の修正をPSCに求めていた。

州内の顧客を代表するPSC公益擁護スタッフは、この要請について審査した結果、同プロジェクトの最終経費を検討することは時期尚早であり、先に解決しなくてはならない事項があると判断。承認額の修正を遅らせることで7月末にジョージア社と事前合意していた。


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