コンプトンカメラ実用化 浜ホトと早大 携帯可能な軽量に

浜松ホトニクスは10日、早稲田大学と共同研究により高感度で実用的な角度分解能を併せ持ち、容易に携帯可能なガンマ線撮像用「コンプトンカメラ」(=写真)の実用化に成功したと発表した。特に、浜松ホトニクスの独自技術である高感度半導体光検出素子MPPCと高密度で発光特性の良好なシンチレータを用いて、重量を1.9kgと従来品の約4分の1にまで軽量化し、大幅な低価格化にも成功した。科学技術振興機構の先端計測分析技術・機器開発プログラムの一環。

コンプトン散乱の原理を利用してガンマ線飛来方向の分布を画像化し、放射性物質の除染に役立てるために開発したもの。居住制限区域に相当する1時間当たり3.8から9.5マイクロシーベルト(μSv/h)程度の環境下で、放射性物質の集積(ホットスポット)を数分程度で撮像できる。具体的には、実験室環境においてカメラ位置で5μSv/hの空間線量率を与えるセシウム137線源を10秒程度で画像化する計測感度を有する。

当面は、福島県の除染が必要な自治体に限定して、11月15日からモニター用として貸し出しを開始し、来年2月から販売を開始する予定という。


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