AP1000に設計変更 中国 陸豊原発でEPC契約

中国の上海核工程研究設計院(SNERDI)は9月29日、広東省沿岸部の陸豊原子力発電所・1期工事の2基について、中国広核集団有限公司(CGN)傘下の中広核陸豊核電公司とエンジニアリング・資材調達・建設(EPC)契約の枠組協定を締結したと発表した。

国務院が陸豊計画の準備作業実施を正式承認した2010年12月時点では、仏国の技術をベースにした100万kW級の「CPR1000」6基を建設すると発表されていたが、国家発展改革委員会は今年3月、陸豊にはウェスチングハウス(WH)社製・AP1000を建設することで計画調整。すでに今年初頭から予備設計や許認可申請書の準備、製造に長期間を要する機器の調達といった前段階の準備作業が始められており、今回のEPC契約枠組協定締結を受けて原子炉系統部分の準備作業が正式に開始される見通しだ。

中国におけるAP1000建設計画としては、現在、中国核工業集団公司(CNNC)と国家核電技術公司(SNPTC)が中心となって浙江省・三門および山東省・海陽の両サイトで4基を建設中のほか、さらに4基の建設を計画している。

CGNによるAP1000採用計画については、内陸部の湖北省に位置する咸寧原発が予定されていたが、国務院は昨年10月、冷却水確保の難しさ等を考慮し、2015年まで内陸部への立地を行わない方針を表明。陸豊での採用設計変更はこうした政策を反映したものと見られている。


お問い合わせは、政策・コミュニケーション部(03-6812-7103)まで