「安全上の重大性、低い」 サンオノフレのSG問題で 米規制委が検査

三菱重工(MHI)製蒸気発生器(SG)のトラブルが原因で今年6月に閉鎖されたサンオノフレ原子力発電所(SONGS)2、3号機について、米原子力規制委員会(NRC)は9月23日、「SG設計の不適切さは安全上の重大性としては低い規則違反」とする暫定的な検査結果を公表した。

2012年1月にSONGS3号機でSG細管同士の接触部から放射能漏れが検知された後、NRCは今後の対策行動として事業者のSCE社が合意した事項を盛り込んだ「確認措置レター(CAL)」を同年3月に発行。その後の数か月間に、SONGSでCAL通りの対応が取られたか確証する検査を実施していた。

米国の原子炉監視では、事業者がいくつかの指標に従って実績評価した報告書のほかにNRC検査官による検査で違反リスクの重大さを評価しており、結果は「緑、白、黄、赤」の4段階に識別。SONGSの場合NRCは、不適切なコンピューター・モデリングによりSG設計に欠陥が生じた3号機の安全上の重大性を、最も低いものから2番目の「白」と判定した。一方、2号機については「SG細管の健全性が損なわれたわけではない」との理由で、重大性が最も低い「緑」としていた。

SCE社は今後10日以内に、この結果を受け入れて規制会議を要請する、あるいはこの裁定が最終決定となる前に文書で関連情報を提出するなどの意志をNRCに伝えなくてはならない。

このほかNRCは同日、SGの設計上の問題を指摘する文書をMHIに対して発行した。MHIは30日以内に同文書に対して異議を唱えるか、すでに取った是正策に関する追加情報、この問題への取り組み計画を提出することになるが、22日付けの声明文の中では「NRC報告は、当社の実施した根本原因解析等が技術面でも合理的であり、根本原因等に対処するために当社が特定・実施した是正措置も合理的だったと結論付けた」と述べている。


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