ブシェール原発の引き渡しへ イラン

イランでロシアのNIAEP社が建設したブシェール原子力発電所1号機(ロシア型PWR、100万kW)をイラン側に引き渡すための手続きが9月23日付けで正式に開始された。完了には2年を要する予定で、この間にロシア側の専門家が発電所に留まり、現地スタッフへのコンサルティングや支援サービスに当たることになる。

記念式典ではイラン原子力庁(AEOI)のA.サレヒ長官が暫定受領書に署名。ロシアのロスアトム社傘下のエンジニアリング企業であるNIAEP社からもV.リマレンコ総裁が出席し、同手続きの開始を祝った。

ブシェール1号機の建設は1974年に独シーメンス社が開始したが、79年のイラン革命により同社は撤退。92年にイランとロシア両国政府が結んだ協定に基づき、95年にアトムストロイエクスポルト(ASE)社(昨年7月にNIAEP社が吸収)が同炉の完成工事契約を受注した。

初臨界を達成したのは2011年5月で、同年9月から出力6.5万kWで国内への送電を開始。昨年8月末に定格出力に達した後は順調に試運転を継続中だ。

同炉はまた、国際原子力機関(IAEA)の全面的な監視下にあり、サレヒAEOI長官は「世界で最も安全な原子炉の1つだ」と述べて周辺諸国の安全を保証した模様。現在のイランの最優先事項は発電用原子炉のさらなる建設で、同発電所での後続炉建設についてもロシア側と交渉中であることが伝えられている。


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