汚染水、抜本解決など 経団連が提言 国際社会の懸念払拭も

日本経済団体連合会は15日、今後のエネルギー政策のあり方に関する提言をとりまとめ公表した。提言は政府の成長戦略の実現にあたり「事業活動の維持や新規投資の前提となるエネルギーが、経済性のある価格で安定的に確保される必要がある」とし、当面の重要課題などをあげた。

重要課題としては、まず福島第一原子力発電所における汚染水問題の根本的解決を取り上げ「福島県の復興・再生に不可欠」とし「国が前面に立って抜本的な対策を講じる旨の基本方針を政府が決定したことは高く評価でき、今後の着実な実行が強く求められる」とした。また海洋環境での放射性物質のモニタリング、情報公開の徹底で国内のみならず国際社会の不安を払しょく、風評被害の防止に努めるべきとした。

また「原子力発電所の稼働停止に伴う火力代替コストは今年度3.6兆円に及ぶと試算されている。これが、電力料金の上昇や貿易収支の悪化をもたらし、産業競争力の強化や経済成長の足かせとなっている」との認識から「安全性の確保を大前提に、原子力発電所の再稼働プロセスを可能な限り加速する必要がある」と強調。「原子力規制委員会による効率的な安全審査とともに、地元自治体の理解を得られるよう政府および原子力規制委員会には丁寧な説明が求められる」とした。

個別政策のなかで原子力については、「原子力安全基盤機構(JNES)を原子力規制委員会に早期に統合する必要がある」などと原子力安全体制の強化・充実を求めている。また核燃料サイクルの確立が必要との認識から「青森県六ヶ所村で稼働準備中の再処理工場、MOX工場および青森県むつ市で建設中の中間貯蔵施設の早期稼働が期待される」とした。


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