新古里3、4の運開1年遅れ 韓国

韓国産業通商部(MOTIE)は18日、同国の最新設計「APR1400」として建設中の新古里原子力発電所3、4号機(各140万kW、PWR)の完成時期が、制御ケーブルの交換作業により1年遅れになるとの見通しを明らかにした。

両炉は今年9月と来年9月にそれぞれ完成予定だったが、事故時に原子炉冷却などの安全系の動作信号を送信する重要部品である制御ケーブルで安全評価結果が偽造されていたことが5月末に発覚した。6月以降に再検査の手続きを進めたところ、韓国籍のJS電線社が製造したケーブルは燃焼試験や冷却材喪失時の性能確認試験で基準値をクリア出来なかったと見られている。

MOTIEによると、同社製ケーブルが再試験に合格出来なかった場合に備えて、すでに米国籍の電線会社を手配済みであり、11月までに性能試験を終えた後、12月にも製造開始が可能。事業者の韓国水力原子力(KHNP)もケーブル交換作業、建設工事全体を1年以内に完了できるとの見方を示している。

こうした状況から、来年の夏の電力需給についてもMOTIEは火力発電所の運転寿命延長や完成の前倒しなどで予備電力を確保する計画。信頼性の高い予備力が保証されると強調した。

なお、JS電線社については民事および刑事上の責任を追及するため、厳正な法的措置をとる方針だとしている。


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