包括的経済貿易協定で原則合意 カナダとEU

欧州連合(EU)とカナダは18日、双方の経済成長と雇用創出の促進に役立つ「包括的経済貿易協定(CETA)」の主要項目で原則合意に達した。EUにとって主要8か国(G8)参加国との自由貿易協定締結は初めてであり、北米市場への進出基盤が得られるとする一方、カナダ連邦政府のS.ハーパー首相も「かつて無い大規模な協定であり、カナダにとっては歴史的勝利」と形容。特に、世界でも有数のウラン鉱開発地域であるカナダ中西部のサスカチュワン州政府は、ウラン採掘事業に対するEUからの投資に道が拓かれるとして歓迎している。

サスカチュワン州のB.ウォール首相は同日、声明文を発表した。連邦政府がとり決めたCETAにより同州からEU市場への農産品輸出が可能になるとしたほか、ウラン採掘部門を含めてEUの投資に対するカナダ側の規制が緩和されることになると指摘。こうした変化はウラン採掘プロジェクトへの投資を一層魅力的なものとし、ウラン鉱山が集中する同州北部地域の自治体や住民に一層の経済的機会と恩恵をもたらすと強調している。

同首相は具体的に、今後15年間の経済効果として25億カナダドルの投資と1200名分の雇用創出を予測。2020年までに国際貿易輸出額を倍増させるという同州の成長計画の実現に向けて、CETAは大いに役立つとしている。

EUとカナダ間のCETA交渉は2009年に開始。今後、技術的な論点部分で合意に達した後、欧州理事会と欧州議会の承認をもって最終的な合意となる。


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